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【高専生こそ起業】仙台から上京して起業を志す専攻科生のストーリー


現役高専生のリアルを綴るストーリーシリーズ。今回は仙台高専専攻科生産システムデザイン工学専攻2年生の山崎さんにインタビューさせていただきました!

 

山崎 泰晴

仙台高専専攻科 生産システムデザイン工学専攻2年生(2018年8月現在)

子供の頃からプライドが高く上昇志向の持ち主だった。高専時代は諸処の事情でアルバイトに勤しみながらも、尊敬する先生やロボコニストの影響を受けモノづくりを実践してきた。高専5年生の時から起業することを宣言し、専攻科1年生でプロダクト構想と仲間を得て活動開始。ベンチャーキャピタルや先輩の支援を受けながら、挫折を乗り越え現在もしたたかに起業を志している。

 

昔から上昇志向で起業家気質だった

ー 高専専門クラウドファンディング「Hello world」で見事に成功した山崎さんですね!

その節は大変お世話になりました(笑)あのチャンスをものにして東京に引っ越して来たのですが、いまでも刺激的な社会生活を送れていて、東京に来て本当によかったなと思っています。今日は後輩のみなさんの刺激になるような話が出来るよう頑張ります!

ー 高専に入る前はどんな生活をしていたの?

普通の子供ではありましたが、周りが気になるタイプというか、すごい負けず嫌いでしたね。中学校ではテストの順位が気になって、1位を目指して勉強しまくっていました。野球部でもピッチャーをやっていたのですが、右腕を壊してしまって…から、左投げでレギュラー目指して練習しまくったりしていました。

ー 上昇志向で執着心もある、起業家気質な性格だったんだね。

負けるのは嫌いです(笑)

ー 出身は福島県?

南相馬市です。

ー 震災で大きく被災した地域だね。

中学2年生の終わりに東日本大震災で被災しました。それで、自宅が立ち入り禁止になったため山形県に避難して生活していました。

ー 思春期に大変な経験をしたんだね。そんな中で高専に入学した理由はなんだったの?

建築に興味を持っていたからですね。震災で家を失ったことをきっかけに、家というものに興味を持ち出したんです。テレビの「ビフォーアフター」が大好きでいつも見ていたし、家の展示会に1人で参加して見学したりしていました。

ー 家の展示会って、家を買う人向けのイベントじゃない?

そう、それです。そこに中学生が参加していた感じですね(笑)

ー 攻めるね(笑)

基本攻めますね(笑)それ以外にも、左右対称の構造物に興味を持ってイギリスに旅行に行って住宅を見て回ったり、アクティブに学習していました。

それで、中学3年の願書提出の際には建築デザイン学科を選ぼうとしていたのですが、当時の担任の先生に「建築で食べていけるのか?電気系の方が将来性があるんじゃないか?」と問われて、確かにそうだと思って。結局、仙台高専の電気システム工学科に入学しました。

ー 最後コロッと意思決定が変わった感じだね。

「それは正しい」と思ったらすぐに軌道修正するタイプなんです。いまでも建築系の仕事には興味を持っていますね。街づくりとかインテリアが好きです。

 

入学から3ヶ月で退寮。アルバイトに勤しみながらもモノづくりと起業を目指す。

ー なるほど。高専入学後はどんな生活を送っていたの?

それが、入学早々に大事件に巻き込まれて(というか起こしてしまって)、入学3ヶ月目で退寮という自体になりました。

ー 展開早いな~(笑)

そうなんです(笑)

仙台高専の寮ってすごく変わった独自ルールがあったんですね。「先輩と目を合わせてはいけない」「先輩に尻を向けてはいけない」「先輩には大声で挨拶しなくてはならない」「先輩に話しかける時には事前の許可が必要」「お風呂場では側面に沿ってカニ歩きすること」…

ー 何年か前に仙台高専に行った時、キャンパスですごい勢いで挨拶しまくる子がいたけど、あの子はやっぱり寮生だったのね。色んな高専の人と話してきたけれど、そこまでヤバいルールは聞いたことないな。

ちょっと普通じゃなかったんですよね。先生もそのルールを公認していたり。

ただ、それ自体が嫌で揉めたわけではないんです。同じ学年の学生でも、そのルールを守らなくていい人も中にはいて、要は不平等であることが許せなかったんです。それで、僕はそうゆうの結構追求しちゃうタイプで、色々あって退寮という結果になりました。

ー これは深掘らない方がいい話な気がするので終わりにしよう。

そうですね。それで、それから高専の近くで一人暮らしを始めることになったのですが、親に頼りすぎるようなこともしたくなかったので、アルバイトに勤しむ生活になりました。

ー 苦学生モードに突入したわけね。授業とかはどうだったの?

もともと勉強が出来たのと負けず嫌いだったので、1年生の時は学年主席でした。ただ、入学直後の事件で学校があまり好きでなくなってしまい、学業に対するモチベーションは徐々に下がってしまいました。

一方で、高専2年生の時に尊敬する先生に出会ったり、友人のロボコニストがものすごい技術力を磨いているのを見て、人生のモチベーションが再度上がってきました。

ー らばせん(某先生の通称)だよね。高専改革の旗振り役的存在。

そうです。先生が授業で「テストなんてもう古い文化だ」「世界を変えるようなプロダクトで起業を目指そう」と言っているのを聞いてすごく興奮して、それから具体的に「起業しよう」というモチベーションを持って生きるようになりました。

友人のロボコニスト(通称おえいくん)も、圧倒的な技術力を誇るエンジニアとしてロボコンで活躍していて、同学年でこんなすごい人がいるんだと焦りました。その影響を受けて、ギターを始めた時にエフェクターを何個も自作したり、電動スケートボードを作ったりしていました。ただ、技術力では勝てそうになかったので、それもあって「発想力やビジネス力を活かして起業しよう」と更に強く思うようになりました。

 

起業家としての活動開始

ー 高いレベルの負けず嫌いだね。具体的な起業活動はいつから始めたの?

高専5年生の時に「起業する!」と周りに宣言しました。本気度を伝えるためにブログを毎日更新したりして情報発信していたら、自然と意識の高い人たちが数名仲間になってくれました。専攻科に入るとコアメンバーが固まってきて、昨年10月頃にプロダクトの構想も固まってきたので正式に起業に向けた活動が始まりました。

また、同じ頃にTwitterの情報発信に東京のベンチャーキャピタルの方が反応してくれました。DMでそのうち会いたいと言われて、その日の夜行バスで東京に行ってプレゼンしたところ、「起業しろ!」と言われました。また、東京で活動している同年代の起業家の熱量にも刺激を受けて、東京に上京して起業しようと決めました。

ー 起業に向けた活動が本格化したんだね!

それからプロダクト開発を始めて、プロトタイプの完成と合わせるタイミングで2月にクラウドファンディングに挑戦しました。高専界隈の諸先輩方やベンチャー界隈の方々をはじめ沢山の方々にご支援いただき、プロジェクトは目標金額を超えてサクセスを収めました。

ー あれは勢いがあったね。同時にチームで東京に上京したんだよね?

はい。3月に会社を登記し、4月からチーム3人で高専を休学し、東京に上京してスタートアップとして活動を始めました。

ー その後はどうなったの?

結果から言うと失敗に終わりました。

当社は「写真を共同編集できるアプリ」というコンセプトでプロダクトを開発したのですが、実際にプリクラ機の前で女子高生や女子大生にヒアリングして使ってもらったところ、イマドキの女子学生はプリクラの落書きを楽しんでいなかったんですね。プリクラで撮った写真を自分のスマホに送って、スマホで落書きしてSNSにアップしていたんです。

自分たちのコンセプトに対して自信をなくすとともに、同時に資金調達もスムーズに進まない展開になってしまい、最終的にはチームのモチベーションが低下したため一次的に活動を停止することを意思決定しました。

ー 個人的にもとっても残念でした。でも、失敗を通じて学べた面も沢山あったよね?

クラウドファンディングを始め、このプロダクトを支援して下さった方々には本当に申し訳ありませんが、「いま攻めても成功が見えない」という判断で活動を停止させていただきました。

でも、おっしゃる通り失敗から学べたことは沢山あります。例えば、内輪で生まれた面白い発想が必ずしも顧客に通用はしないこと。これは最近の言葉で言うと「PMF(プロダクト・マーケット・フィット)」ですね。だから、現場での価値検証を早い段階から継続的に行なわなければいけないと気づきました。それから、「生活もままならない状態を生み出してはいけない」ということも大きな気づきでした。自分個人の生活ならまだしも、チームを抱えながら全員の生活が危うい状態になると、前向きなモチベーションを維持することは本当に難しいと痛感しました。今はその反省を踏まえて、挑戦する前段として「生きるためのストックマネー」を生み出すことを意識して色々仕込んでます。

ー スタートアップの社長らしい発言(笑)

絶対にまた挑戦するつもりなので。前回の挑戦で得られた教訓や、いま働きながら学んでいることをしっかりと糧にして、新しい時代に足跡つけて見せます!

ー そうだね。若者の挑戦を応援する当社としても今後に大いに期待しています!

ありがとうございます!

 

学生へのメッセージ

ー 最後に、高専生に対してメッセージをお願いします!

個人的に高専生はATY能力(アホだから とりあえず やってみる 能力)が非常に高いと思っています。その特殊能力を活かして、頭の良い人がやらないような事をガンガンやっていきましょう!

平成最後の夏に高専生旋風を巻き起こし、来年からの元号を「高専」にしましょう!

ー ATYいいね!ありがとうございました!

ありがとうございました!

 

編集後記

1月頃にTwitterで「起業するんでクラファン手伝ってください!」とDMしてくれた山崎さん。当社としてもHello worldを通じて色々とお手伝いした思い出深い人です。今回のインタビューを通して改めて、突破力があって愛嬌もある、若手起業家としての資質を持った人だと思いました。挑戦は繰り返した者勝ちだから、今後も全力で頑張って欲しいと思います。

今回は学生起業家として山崎さんを取り上げました。起業というとハードルが高い気がしますよね。もちろん大変ではありますが、「プロダクトを本気で事業化する」「起業する」という挑戦を学生のうちに経験することは、将来の選択肢を本当に大きく広げてくれます。また、これから始まる100年人生時代においては、常に何かに挑戦する人が報われる時代になります。学生のみなさん、先輩に助けてもらいながら、どんどん挑戦していきましょう!

山崎さん、改めてありがとうございました!

 

文責:りゅーかん

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